オーバーロード4期（オーバーロードIV）について調べると、「ひどい」「つまらない」といった厳しめの感想が目につきます。 一方で、「シリーズで一番好き」「ザナック編が最高だった」という好意的な声もあり、評価が大きく割れているシーズンです。
この記事では、「オーバーロード4期 ひどい」と検索した方に向けて、
- 4期がどんな内容だったのか
- なぜ「ひどい」と言われてしまうのか
- 実際の評価はどの程度なのか
- 4期をより楽しむための前提知識と視聴のコツ
- 聖王国編映画・5期以降との関係
を、原作・アニメの情報とファンの声を整理しながら解説します。 読むことで、自分にとって4期を見る価値があるかどうか、冷静に判断しやすくなるはずです。
オーバーロード4期はどんなシーズンだったのか
放送時期と原作範囲の整理
TVアニメ『オーバーロードIV』は、2022年7月〜9月に全13話で放送されました。
制作は1〜3期と同じくマッドハウスです。
原作ライトノベルで言うと、4期が主に扱ったのは以下の巻です。
- 第10巻「軍王の謀略」
- 第11巻「山小人の工匠」
- 第14巻「滅国の魔女」
一方で、第12巻・第13巻の「聖王国編」はTVアニメでは扱われず、後に劇場版としてアニメ化されました。
この「10・11・14巻だけを4期でやり、間の12・13巻は映画」という構成が、視聴体験に大きく影響しています。
4期のあらすじとテーマ（魔導国と王国滅亡まで）
4期は、アインズが支配する魔導国が本格的に動き出し、隣国リ・エスティーゼ王国との関係が決定的に崩壊するまでを描きます。
- 前半：冒険者ギルドとの関係構築、ドワーフの王国との接触、魔導国の外交・経済戦略。
- 中盤：王国の内政崩壊、貴族たちの愚行、ザナック王子の奮闘。
- 終盤：魔導国と王国の戦争、カッツェ平野での虐殺、王国滅亡とラナーの「真の姿」。
戦闘シーンはもちろんありますが、4期全体のトーンは「内政」「政治劇」「滅びのドラマ」が強めです。
ナザリック側の圧倒的な力と、その他の国々の差がはっきり描かれ、その結果として「一つの王国が消える」プロセスにフォーカスしています。
オーバーロード4期が「ひどい」と言われる主な5つの理由
ここからは、ネット上の感想やレビューを整理し、4期が「ひどい」と言われる主な理由を5つにまとめて解説します。
① 作画・CG表現のクオリティにばらつきがある
まずよく挙がるのが、「作画が崩れている回がある」「CGがチープに見える」という指摘です。
- 大軍勢やモンスターの描写で3DCGが多用され、立体感や動きに違和感を覚える視聴者がいた。
- 会話主体の回では作画が安定している一方、戦争シーンや大規模な戦闘のカットでは「動かない」「同じモブが繰り返し映る」といった不満が出ている。
ただし、背景美術やキャラクターデザイン、特定エピソードの演出（ザナック編の夜の野営地の空気感など）については、むしろ評価する声も多いです。
「全体として致命的に崩壊しているわけではないが、要所でのCG表現が目立ってしまい、“4年待った続編にしては物足りない”と感じさせた」というのが実際に近い印象です。
② 原作からの大幅なカットと情報量の圧縮
2つ目の大きな理由は、「原作にある設定説明やキャラの内面描写がかなりカットされている」点です。
- 原作ファンからは、「設定や世界観の細かい説明が削られて、ただ出来事だけが流れていくように感じる」という声が多い。
- 1クール13話という尺の中で3巻（10・11・14巻）を詰め込んでいるため、どうしても説明よりもイベント消化が優先されている。
- アインズや守護者たちの内心、貴族たちの打算、ザナックの葛藤など、原作では丁寧に描かれている部分が省略され、ある程度「知っている前提」で進む場面も多い。
その結果、「アニメだけを見ていると、誰が何を狙っているのか分かりづらい」「キャラクターの行動が唐突に見える」という感想につながっています。
③ 時間経過や状況説明が分かりづらい構成
3つ目は、「時間の飛び方や場面転換が分かりづらい」という構成上の問題です。
- 物語の中では数年単位の時間経過があるものの、アニメではその説明が最小限で、視聴者には「いつの話なのか」が把握しにくい場面がある。
- カットされた聖王国編（12・13巻）は、時系列上は4期の途中に挟まる出来事ですが、アニメの4期では触れられないため、世界の変化が伝わりにくい。
「いつの間にか王国が崩壊寸前になっている」と感じてしまう人が出たのは、聖王国編映画との分割構成と、時間経過の説明不足が重なった結果と言えます。
④ アインズの冷酷さが前面に出て共感しづらい
4期のアインズは、王国滅亡の引き金を引く側として、かなり冷徹な決断を下します。
そのため、「アインズがひどい」「ただの虐殺者に見える」という感想も一定数あります。
- 王都や住民に対する徹底した攻撃、無力な兵士の大量虐殺など、これまで以上に「魔王」としての側面が強調される。
- 原作では、アインズの内心の戸惑いや、人間性が薄れたアンデッドとしての思考が細かく描かれており、「なぜそう振る舞うのか」の背景が理解しやすい。
- しかしアニメ4期では、その内面の丁寧な描写が減っているため、「ただ冷酷な支配者」に見えてしまいやすい。
こうしたギャップが、「アインズが好きだったのに、4期でちょっと苦手になった」という反応につながっています。
⑤ 物語のピーク配分と最終話の構成への不満
最後に、4期の終盤構成、とくに最終話への不満です。
- 多くの視聴者にとってクライマックスと思われる「アインズ vs リク（ツアー）」の戦闘は、かなり駆け足の描写になっていると指摘されます。
- 一方で、最終話ではラナー関連の過去映像や歌のシーンに比較的長い尺が割かれており、「ここに時間を使うなら戦闘をもっとしっかり見たかった」という声が目立ちます。
- 戦争のスケール感を期待していた層ほど、「王国滅亡」が感情的なピークになりきらず、消化不良感を覚えたと考えられます。
実際の評価は？ データとファンの声から見る4期
レビューサイトのスコアと全体傾向
レビューサイトや感想ブログを横断すると、「オーバーロード4期 ひどい」という声は確かにありますが、一方で星3.5〜4.0前後のスコアを付けるサイトも多く、数値だけ見ると極端に低評価というわけではありません。
よくある傾向を整理すると、次のようになります。
- 肯定的な評価
- ザナック王子の描写や最期のシーンが素晴らしい。
- ジルクニフや周辺国の描き方など、政治劇としての魅力が増している。
- ナザリックの「圧倒的強者」が本気を出した際の恐ろしさがよく出ている。
- 否定的な評価
- 作画・CGの質が不安定で、クライマックスの盛り上がりに水を差している。
- 聖王国編を飛ばしている影響で、物語の流れが唐突。
- 原作の細かい設定を知っている前提で話が進むように感じる。
つまり、「ひどい」と言い切れるほど崩壊しているわけではなく、「期待値が高かっただけに、粗が目立ってしまったシーズン」という見方の方が実情に近いと言えます。
原作ファンとアニメ勢で評価が分かれるポイント
- 原作を読み込んでいるファン：
カットや構成に不満はありつつも、「映像化されたこと自体はうれしい」「ザナック編など光る回も多い」とする声が多い。 - アニメだけ視聴しているファン：
「突然知らない国やキャラが増えた」「いつの間にか王国が滅びていたように感じる」といった戸惑いが大きく、「ひどい」「よく分からない」という評価になりやすい。
この「前提知識の差」が、評価の割れ方に直結しています。
4期をより楽しむための前提知識
4期がアニメ化した原作巻と、飛ばされた聖王国編
改めて整理すると、アニメ4期と原作の対応関係は次のようになります。
- 10巻「軍王の謀略」 → 4期前半
- 11巻「山小人の工匠」 → ドワーフの国のエピソード
- 12巻・13巻「聖王国編」 → 劇場版「オーバーロード 聖王国編」でアニメ化
- 14巻「滅国の魔女」 → 4期終盤（王国滅亡まで）
つまり4期は、原作の時系列のうち「聖王国編」を丸ごと飛ばし、王国滅亡までを先に描いたことになります。
この構成を知らないと、「気付いたら世界情勢が大きく変わっていた」「あるキャラの評価が急に上がっていて違和感がある」といった戸惑いにつながりやすくなります。
劇場版「聖王国編」との関係・おすすめ視聴順
劇場版「オーバーロード 聖王国編」は、原作12・13巻を元にした完全新作映画として2024年に公開されました。
時系列的には、10巻・11巻と14巻の間に挟まるエピソードです。
そのため、今からシリーズを追う場合は、以下のような視聴順が分かりやすいでしょう。
- TVアニメ1〜3期
- TVアニメ4期（オーバーロードIV）
- 劇場版「聖王国編」（配信や円盤など視聴可能な環境で）
あるいは、
- 4期前半（10・11巻相当）
- 聖王国編映画
- 4期後半（14巻相当）
といった順番も考えられます。
視聴環境によるため一概には言えませんが、「4期の前後どちらかで聖王国編を挟む」と理解しておけば、世界情勢の変化やアインズの評価の変遷がつかみやすくなります。
アニメだけだと分かりづらい細かい設定例
4期で「なんとなく雰囲気は分かるけれど、細部が腑に落ちない」場面の多くは、原作での細かい設定説明が抜けていることが原因です。
たとえば：
- コキュートスが特定の場面で「一歩後退／前進」する演出の意味（相手の実力評価や、奇跡的な一撃への敬意）
- アインズが人間の死や虐殺に対してあまり感情的に動揺しない理由（アンデッド化したことで人間としての感情が薄れているという設定）。
- 王国貴族たちの愚行が、どれだけ長い積み重ねの結果なのか。
これらは、アニメの範囲だけだと「そういうもの」として流れてしまいがちです。
気になる方は、該当巻（とくに10・14巻）だけでも原作ライトノベルを読んでみると、4期の印象がかなり変わるはずです。
「ひどい」と感じた人向け・5つのチェックポイント
ここからは、「自分には4期があまり合わなかった」と感じた方向けに、考え方の整理と今後の付き合い方のヒントをまとめます。
1. 何に一番ストレスを感じたのかを切り分ける
「ひどい」と一言で言っても、要因はいくつかに分かれます。
- 作画・CGのクオリティ
- ストーリーの分かりづらさ
- アインズの冷酷さ・残酷描写
- 聖王国編が飛ばされていることによる違和感
- 期待値とのギャップ（4年待ったのに…という気持ち）
自分がどこに一番モヤモヤしているのかを整理すると、「今後も追うかどうか」の判断がしやすくなります。
2. 4期が刺さりやすい人／合わない人の傾向
ざっくりと分けると、次のような傾向があります。
- 4期と相性がいい人
- 内政や政治交渉、駆け引きが好き。
- 「最強側」の視点で、圧倒的な力の差を見せつける物語が好き。
- 王国側の悲劇や、ザナックのような「報われない善戦」を好む。
- 4期と相性が悪くなりがちな人
- 1〜3期のような「冒険者もの」「クラン仲間とのやりとり」を期待していた。
- バトルアクション重視で、戦闘作画や演出の派手さを求めていた。
- 主人公には一定の「ヒーロー性」を求めており、あまりにも冷酷な行動には抵抗がある。
どちらが正しい・間違っているという話ではなく、「作品の方向性と、自分の好みがどれだけ重なっているか」の問題です。
3. つまらないと感じた場合の楽しみ方（原作・考察の活用）
4期をアニメだけで見て「分かりづらい」「刺さらなかった」と感じた場合でも、以下のような楽しみ方があります。
- 王国滅亡までの流れが気になるなら、原作10・14巻だけでも読んでみる。
- ザナックやジルクニフなど、「人間側キャラ」に焦点を当てた考察記事・動画を探してみる。
- 聖王国編映画を挟んで見直してみる（時系列が補完されるため、世界の変化が理解しやすい）。
逆に、「そこまでして追うほどでもない」と感じたなら、一度距離を置くのも選択肢です。
オーバーロードは情報量の多いシリーズなので、熱量が高いタイミングで一気に触れた方が楽しめるタイプの作品でもあります。
5期以降はどうなる？ 現時点の公式情報と注意点
原作の巻数・完結予定とアニメ化可能なストック
原作ライトノベル『オーバーロード』は、16巻まで刊行されており、作者のあとがきなどで「全18巻で完結予定」と示されています。
- 1〜3期：1〜9巻を消化
- 4期：10・11・14巻
- 劇場版：12・13巻
という構成を踏まえると、少なくとも15・16巻、そして予定されている17・18巻分のストックが、今後のアニメ化候補になります。
5期制作に関する公式発表の有無
2025年11月時点で、TVアニメ第5期の制作決定に関する公式発表は確認できません。
- 公式サイトや公式X（旧Twitter）では、主に劇場版「聖王国編」の情報や、円盤・配信の告知が中心です。
- 一部の個人ブログやXアカウントでは「5期決定」などの噂・予想が語られていますが、公式ソースではありません。
今後、5期が制作される可能性は充分にありますが、現時点で「いつ・どの内容がアニメ化されるか」は公的には発表されていない、というのが事実です。
今後の情報を追ううえでの注意点（噂と事実の見分け方）
- 「◯年◯月放送決定！」といった見出しでも、本文を読むと単なる“筆者の予想”に過ぎないケースが多くあります。
- 情報の確度を確認する際は、必ず
- 公式サイト（overlord-anime.com）
- 大手ニュースサイト（Anime News Network、アニメイトタイムズなど）
のいずれかに同じ内容の告知があるかどうかをチェックするのがおすすめです。
まとめ：オーバーロード4期は誰にとって「ひどい」のか
最後に、この記事の内容を簡潔にまとめます。
- オーバーロード4期（オーバーロードIV）は、原作10・11・14巻を1クール13話に詰め込み、王国滅亡までを描いたシーズンです。
- 「ひどい」と言われる主な理由は、
- 作画・CG表現のばらつき
- 原作からの大幅カットと情報圧縮
- 時間経過・状況説明の分かりづらさ
- アインズの冷酷さが前面に出たこと
- クライマックスの配分や最終話構成への不満
の5つに集約できます。
- 一方で、ザナックやジルクニフの描写、王国滅亡のドラマなど、「内政・政治劇」としての評価は高く、レビューサイトのスコアも極端な低評価というわけではありません。
- 原作の設定やキャラの内面を知っているかどうかで、4期の見え方は大きく変わります。分かりづらさを感じた場合は、該当巻だけでも原作を読むと印象が変わる可能性があります。
- 聖王国編（12・13巻）は劇場版としてアニメ化されており、4期の前後どちらかで視聴すると、世界情勢の理解が深まります。
- 5期以降については、原作ストックは十分にあるものの、2025年11月時点で公式な制作発表は行われていません。最新情報は公式サイトや公式Xで確認する必要があります。
「オーバーロード4期 ひどい」という評価は、作品そのものの崩壊というよりも、
- 高い期待値
- アニメだけ視聴した場合の分かりづらさ
- 原作の魅力をどこまで再現できたか
といった要素が絡み合って生まれたものです。
もしまだ視聴前であれば、本記事で挙げたポイントを頭に入れたうえで見てみると、「どこが自分に合う／合わないのか」がはっきりし、ただ漠然と「ひどい」と感じるよりも、納得しやすくなるはずです。
そして、4期で感じたモヤモヤをきっかけに、原作や聖王国編映画に手を伸ばしてみるのも、一つの楽しみ方と言えるでしょう。
